鴨都波遺跡

所在地:御所市三室・御所字ワキガミ
 遺跡は葛城山麓より東方に延びる低い丘陵状地形の東端にあたり、標高99〜101m、葛城山系に源流をもつ柳田川と金剛山麓より北に流れる葛城川の合流点に面し、水に恵まれた絶好の場所に立地しています。
 昭和28年以降、発掘調査が行われ、全期間を通じて営まれた拠点集落であることが分かりました。
 検出された遺構には溝、高床建物と見られる柱列、矢板を打ち込んだ柵列、竪穴住居跡、大溝、木器貯蔵穴などがあります。
 遺物も木器、土器、石器などが多量に出土しています。
 この遺跡から出土する遺物の特徴として、「紀伊型甕」が挙げられます。この甕は和歌山で見られる甕ですが、中期に入ると鴨都波遺跡でも見かけられるようになります。地理的に近い和歌山との関係がうかがえる遺跡です。さらに北に位置する橿原市の四分遺跡では、「紀伊型甕」と「大和型甕」の折衷型である「四分型甕」が見られます。
 奈良盆地内の遺跡とはやや趣を異にした遺跡と言えます。
 

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