宮滝遺跡

所在地:吉野町宮滝
吉野川が川岸の岩盤を浸食して大きく蛇行する右岸に形成された標高188m前後の段丘状に位置します。
 この遺跡は弥生時代ばかりでなく、縄文時代から歴史時代まで続く遺跡であり、「吉野宮」や「吉野離宮」など、歴代天皇の行幸先としても有名です。
 これらのことから研究史には長いものがあり、明治20年から地元の人々によって遺物の採集や研究が行われてきました。これを受けて、奈良県史跡調査会委員の調査を経、昭和8年から9年に及ぶ調査が末永雅雄によって行われました。以降、橿原考古学研究所によって52次に及ぶ調査が行われています。
 弥生時代としては、前期から中期までの遺構・遺物は認められますが、後期のものは確認されていません。後期になると、広い水田可耕地へ移動したものと見られます。
 また、この遺跡の特徴としては、石庖丁の出土が少ないことが挙げられます。これは耕作地が少なかったからと考えられ、縄文時代からの狩猟採集生活が基盤だったことを物語っています。
 

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